認知症の症状の段階について
認知症はその症状別で4段階に分けられます。
軽度認知障害(MCI)
認知症初期
認知症中期
認知症末期
認知症には根本治療の薬はありません。
症状を遅らせる薬と、せん妄や意欲低下などの症状を改善する薬はあります。
また、改善方法は薬だけではなく、症状を遅らせる対処方法もあります。
認知症だと気が付いたら、早めに対応することが大事です。
認知症各段階の症状
軽度認知障害(MCI)
日常生活に支障をきたすほどではないけれど、軽度の認知機能の低下がみられる状態です。
- 忘れ物・探し物の頻度が多くなる
- 物忘れが多くなる
- 同じことを繰り返す
- 家事に時間がかかるようになる等
認知症初期
- 物忘れの頻度が高くなる
- 会話についていけなくなる
- 日常生活の作業に時間がかかるようになる
- 意欲がなくなる
- 以前はできていたことができなくなる等
認知症中期
- 日付・時間・場所などが分からなくなる
- 食事したことを忘れる
- 更に意欲が低下する
- 新しいことは覚えられなくなる等
認知症後期
- 意思疎通が困難になる
- 筋力の低下、運動機能の低下
- 嚥下障害がおこる
- 家族の認知も困難になる等
特殊詐欺に騙されやすいのは初期
認知症になると、判断ができないので特殊詐欺に騙されやすいと思いがちですが。
実は、特殊詐欺に騙されやすいのは軽度認知障害(MCI)の段階か、認知症初期の段階です。
中期になってくると、相手の言っていることが理解できない。対応方法も分からなくなるので、騙すことすらできなくなります。
それでも最近は「不用品処分します」と親切そうに高齢者宅を訪問して、貴金属類を安い値段で購入していく悪質詐欺もあるみたいなので、注意は必要ですね。
認知症予防と認知症進行の予防
まずは認知症にならないための方法。脳科学の観点からのアプローチ
- 社会との交流を持つ
- 適度な運動をする
- 新しいことにチャレンジする
- アウトプットする
だそうです。
これは認知症を発症した方、初期段階にも有効なんですが。
孤立は認知症を進行させます。
現代社会は、集合住宅での生活が多くなり「隣の人は何する人ぞ」で、社会との交流が少なくなる傾向にあります。
ましてや、足が悪くなった、もともと一人が好きなどの理由で、外に出る機会が少なくなると、認知症上は悪化します。
独居の方で「まだまだ元気」と思っていた方が、急に認知症が進行してしまうのは、社会との交流が減ってしまっているのも原因の一つと思われます。
また、週に2~3回の運動(30分程度、軽く汗をかく運動)は、脳血流を増加させることにも有効です。
また、中高年の健康診断でも「30分程度汗をかく運動を週に何回しますか?」とかいうチェックリストありませんか?
メタボ予防、生活習慣病の予防のためにも大切です。是非習慣化してください。
「同じお店の同じものばかり食べてませんか?」
和田秀樹 不老脳
食べるものも「いつものお店のいつものメニュー」ではなく「今日はこれを食べよう!ここは美味しそうだ」と、常に新しいことにチャレンジする気持ちが大事だということでした。
それをまたアウトプットする。
人に紹介したり、SNSなどに投稿するなどすることによって、脳は活性化されるそうです。
認知症になったら、何もかもができなくなる訳ではない
認知症になったからと言って、すぐに何もかもができなくなる訳ではありません。
ただ、認知症の進行予防にと、急にドリルをさせたり、好きでもないことをやらせるのは、間違いです。
あくまでも本人が楽しくできることを見つけて、チャレンジしてみてください。