突然の救急搬送からの入院
大阪で一人暮らしをしていた母。
それは、救急隊員からの1本の電話から始まった。母を救急車で搬送するとのこと。
救急搬送は今に始まったことではなく、ここ数年で何回か繰り返している。
私自身も看護師という職業上、それほど重要視はしていなかったが、今回は事情が違った。
自宅で一人暮らしは無理かもしれない。施設を考えてください
今回の入院は、酷い便秘と尿路感染症。
ケアマネから聞いた主治医の見解はこうだった
「バルンカテーテル(膀胱留置カテーテル)を入れていたが、それを抜くと自然に尿が出なくなってしまった。このままカテーテルを入れたままの生活になります。一人暮らしは無理だと思います」
私の出番だ!
私が看護師でなかったら、または訪問看護業界にいなければ、きっとここで諦めただろう。
ところがどっこい。
当時の私は訪問看護業界在籍10年、更に言うと24時間で介護を行ってくれる定期巡回随時対応型訪問介護看護という事業所に勤務していたのだ。
バルンカテーテル留置状態だって、在宅生活は全然可能である
私の中で、それほど大きな問題にはならなかった。
また、パーキンソン病は脳内のドパミンという物質が不足して、体の動きが悪くなる病気。
治療法として、血中のドパミンを安定させるために、1日に何回もドパミンを内服する必要がある。
ドパミンを飲み忘れると血中濃度が不安定になり、動けなくなってしまう可能性がある。
認知症があると、薬の飲み忘れや過剰内服などの危険性があり、見守りが必須。
通常の訪問介護なら、複数回の服薬のために訪問することは難しいが、この事業なら複数回訪問も可能である。
定期巡回随時対応型訪問介護看護とは?
定期巡回随時対応型訪問介護看護は介護スタッフが24時間体制で介護を実施してくれる。
夜間のオムツ交換や、ナースコールのような端末を活用して緊急訪問もしてくれる。
医療の必要な人は、訪問看護のサービスを付けることができる。
在宅介護の強い味方である。
引っ越しをして在宅生活開始
今回の病状を弟たちとも相談し、引っ越しをして私の住む地域で生活させることに決まった。
当時母は大阪に住んでおり大阪の医療機関に入院中。
住むところを探すために一旦神戸市内の病院に転院し、大阪に住む弟に手伝ってもらって引っ越し。
住居の準備ができたタイミングで退院になった。
実は、母のバルンカテーテルは退院直前に抜くことができ、かなり良い状態で退院することができた。
実際医療の手はそれほど必要ではなかったけれど、引っ越しのタイミングとしては良かったのではないかと思ってる。
あまりにも元気すぎて、その後に様々な事件を起こすことになるのだが、それはまた別の機会に・・・