「ベッドに蛇がいる」警察出動させた幻覚 認知症対応の方法と反省

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パーキンソン病、レビー小体型認知症と幻覚の関係

パーキンソン病+レビー小体型認知症を患う母。
幻覚はもともとあったが、その程度は軽かったり酷かったりと波がある。

幻覚は病気と大きく関連している。
まずレビー小体型認知症の症状の特徴として、幻覚・幻視、それに伴う作話・妄想などがあげられる。

また、パーキンソン病の治療薬「ドパミン系薬剤」も、副作用として幻覚・妄想などの精神症状を引き起こす可能性がある。

母の場合は、そのどちらも当てはまるので、幻覚には常に悩まされている。

「ベッドの上に蛇がいる」

幻覚が酷い時は、精神的な恐怖を伴う幻覚になる。

「ベッドの上に蛇がいる」「家に火をつけられたから飛び出した」「娘が風呂場で縛られている」

この辺りは全て自ら警察に通報
警察が出動して対応し、結果的には娘である私に電話がかかってくる。
夜中に警察から電話がかかってくるので、また何事か起こったのかと思って驚いて飛び起きる。
正直、目が冴えてしまってすぐには寝付けなくなる。

ただ、自宅にさえいてくれるなら、警察には「幻覚なので大丈夫ですよ」と説明すればそれでいい。
外に出て迷子になっているのを保護されている場合は、迎えに行かなければいけない。

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「徘徊」ではありません
パーキンソン病79歳側溝に嵌る

高齢者の介護、特に認知症の介護に関して、本人を責めてしまうのはタブー。
看護、それも在宅で訪問看護に長年携わっている私は、そんなこと分かり切っているのだが。
さすがに連日の夜中の呼び出しが続くと、思わず責め立てる言葉も出てしまい、大変後悔する日もあった。

認知症の介護

高齢者や認知症の介護について。
前述したように、本人を責めてはいけない。

認知症の症状 認知機能低下として以下のような症状がある。

  • 記憶(記憶障害)​ ・何度も同じことを話したり、聞いたりする​ …
  • 注意(注意障害)​ ・注意力や集中力が低下し、同時に2つのことがしづらくなる・会話についていけなくなる​​ …
  • 言葉(言語障害/理解力の低下)​ …
  • 日付・場所(見当識障害)​ …
  • 段取り(実行機能障害)​ …
  • 行動・心理症状の一部

何度も同じことを言ったり、いつもできていたことができなくなったりすることで、介護している家族からすれば「何でこんなこともできなくなったの?」と責めたくなってしまう。
介護は精神的ストレスを抱えることも多く、ついつい言葉を荒げてしまうこともある。

しかし。本人は全く悪気がなく、むしろ自分自身も「できなくなってきていること」に対して不安や焦燥感を感じていることが多い。

これは子育てにも通じるところがあると個人的には思っているのだが
「相手を認める、受け入れる、笑顔で接する」ことが大事だと思う。

徘徊の時にも書いたが「徘徊」はただ意味もなく徘徊するわけではない
必ずそこには理由がある。

「買い物に行きたかった」「昔住んでいた家に帰りたい」「ゴミを出しに行きたい」等

本人がやろうと思ってもできなかったことを、穏やかに対応し導いてあげることが大事なのである。

認知症の主症状は上記に上げたが、BPSD(周辺症状)と言われる症状がある。

行動・心理症状(BPSD)とは

  • ■暴言、暴力
  • ■焦燥
  • ■叫声
  • ■介護抵抗
  • ■食行動異常(過食、異食、拒食)
  • ■徘徊
  • ■失禁、不潔行為
  • ■つきまとい

これらの症状は、主症状に対して適切な対応をしなければ、より強く表れてしまうことが多い。
良く聞かれるのが「物盗られ妄想」
「お金を盗られた!」「あの人が私の財布を盗んだ」などである。

主症状に対してきつく責められることにより、それを隠そうとする、抑圧された状況が、BPSDを進行させてしまう。

経験上でも、周りの家族が笑顔で対応している認知症の方は、いつもニコニコ笑顔の認知症のおじいちゃんおばあちゃんになっていることが多い。

赤ちゃんがお母さんの笑顔を見つめて「笑う」ということを覚えるように、認知症の人にも笑顔で接すると笑顔で過ごせることができるのではないかと思う。

・・・といって。それはそうそう簡単なことではなく、時には叱責してしまうこともある(私も)
だからこそ、介護の悩みを共有し、ストレスを少しでも発散できる場所が増えることを祈っている。
認知症カフェなども多いに活用するべき。
私もいつかは認知症カフェを運営したいおと思っている。

幻覚と身体機能のバランス(母の場合)

母の主治医は、神経難病専門の先生で、パーキンソン病の薬の調整がとても絶妙である。

おかげで母も動ける状態を維持できているのだと思う。

ただし。
個々の症状によっては、どうしてもバランスが取りにくい場合もある。

母の場合は、動きが悪くなってドパミンを増やすと、幻覚が強くなってしまう。
もともと幻覚が出やすいタイプの人は、かなりの高確率で同じような幻覚が発生するらしい。
精神的に恐怖を覚えるような幻覚があったときにドパミンを減量して、日常生活に支障がない程度に幻覚は落ち着いた。

ただ、最近動きが悪くなってきたのでドパミンを増量したら、側溝に嵌った正月の事件に至ってしまった。
もう少し転倒もなく、家の中で動けるような状態にしたいけど、薬が増やせない。

今回は少し動きにくくなるけれど、危険な状態を回避できるように薬を減量。
その代わり、室内での転倒は増えている。
バランスは難しい・・・

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在宅介護・在宅看護経験20年。
パーキンソン病+レビー小体型認知症の母親介護中
高齢者施設関係の仕事しています。
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