在宅介護に100%を求めてはいけない どこを妥協すればいい?

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他人に任せることの難しさ

母は私の自宅から自転車で10分程度の所で一人暮らしをしています。

2022年の冬、大阪で緊急入院した母。
主治医に「一人暮らしは難しい」と宣言されたので、退院と同時に私が住んでいる神戸市に引っ越すように手配しました。

高齢者、特に認知症になると、環境の変化に弱くなります。

入院などで不穏になったりするのは、病気が原因のこともありますが、環境の変化に対応できないことが原因のことが大多数です。

致し方なく引っ越しを決めましたが、母が大きなトラブルもなく環境の変化に適応できたのは、ある意味運が良かったのかもしれません。

定期巡回随時対応型訪問介護看護を活用

退院後より、定期巡回随時対応型訪問介護看護というサービスを利用していました。

(サービスの内容については、過去の記事で⇩)
定期巡回随時対応型訪問介護看護ってどんなサービス?
定期巡回随時対応型訪問介護看護ってどんなサービス?②

定期巡回は

短時間、複数回の訪問が可能である。
夜間も対応可能
緊急時にもかけつけてくれる

というメリットのあるサービス。

当時、想像以上の回復力で元気になった母
薬を確実に飲むことが一番の課題だったので、1日に5回以上もある内服確認に訪問してくれるこのサービスは、とても重宝しました。

定期巡回随時対応型訪問介護看護のデメリット

事業所の数が少ない

これまで、定期巡回随時対応型訪問介護看護のメリットは沢山話してきましたが。

最近少し思うところがあったので、デメリットの事例の一つとしてお話しさせてもらいます。

定期巡回随時対応型訪問介護看護サービスは、利用者にとっては救世主みたいなサービスです。

ところが、様々な事情があって、事業所の数は少なく、利用したいと思っても利用できない人が沢山いるという状況です。

利用できたとしても、他の事業所がないので、たとえ不満があっても事業所を選べないということもあります。

サービスの内容に納得いかない

在宅介護を始めてから2年。
母のパーキンソン病も少しずつ進行し、自分で料理などを作ることはできなくなってきています。

最初の頃は、ほぼ自分で作った物。

少しずつできなくなってきたので、コープの個配で頼んだ冷凍食品(冷凍の丼物や、お好み焼きなど)を中心に、私が持参したお惣菜などで食事を準備してもらってました。

私がお惣菜を作り置きして、数品冷蔵庫に入れておくと、ヘルパーさんが毎食準備をしてくれるという体制でした。

が、ある時。
「同じメニューが続く」「栄養バランスが悪くなる」などという理由で、事業所側から宅配弁当の導入を提案されました。

お弁当は毎日取ると、なかなか高額になります。
できれば使いたくなかったのですが、事業所のスタッフさんも大変なんだろうと思い、忖度してしまいました。

定期巡回随時対応型訪問介護看護は短時間で多くの利用者さんを回るので、料理をしてくれない事業所さんが多いです。

そんな中で「料理もします」という事業所ではあるのですが、結局「より早く次の利用者に行きたい」と思っているのでは?

もともと自分が勤めていた事業所でもあるし、性格的に遠慮してしまう部分もあり、お弁当の導入を受け入れることになりました。

「総菜も控えてください」に疑問

お弁当を導入してからしばらく経過した日の担当者会議(ケアマネ、家族、事業所のスタッフが集まり、ケアの内容などについて話し合う会議のこと)で、料理のことが議題に上がりました。

私は、つくりおきしたおかずを持って行くのですが。
付箋に日付を書いたものをタッパに貼って、順番に食べれるようにしています。

・・・が、いつまでも残っていたり、賞味期限が切れても捨てずに置いてあったりしたので、何度か注意しました。

「日付の古いものから食べてください」「賞味期限が切れてしまったら捨ててください」等

それに対して事業所側からの意見は「お惣菜が多いので、食べきれない」ということでした。

結果、お惣菜を持ってくるのは控えめでお願いしますということになりました。

私は18歳の時に家を出ています。
それまでも、母に料理を習ったことはほぼ皆無で、料理を母に食べさせたこともほぼありませんでした。

結婚し子育てをする間に、料理のスキルも上がりました。
今回介護をすることになって初めて、私がつくった料理を食べることになった母。

「料理上手やねぇ。美味しいわ」と言って喜んでくれていた母。
少しでも好きな物、美味しいものを食べてもらいたい。

そう思って頑張ってきたおかずの差し入れを抑制されてしまった・・・・。

介護に100%を求めてはいけない

自分が介護する場合も、他人に任せる場合も、決して100%を求めてはいけないと思います。

自分が100%の介護をしようとすると、必ず無理が出てくる。

介護事業所に100%を求めることも、もっと無理なことです。

「手作り料理を少しくらいは食べさせたい」そんなささやかな要求も抑制されてしまうことに、正直納得は行っていません。

定期巡回随時対応型訪問介護看護では調理はあまりしないとしても、せめてお味噌汁くらいは作ってほしい(でも作ってくれない)

最初にもお話ししたように、定期巡回随時対応型訪問介護看護の事業所は事業所数も少なく、選ぶことができないというのが現状です。

別の事業所にお願いしても、また別の部分が不具合が生じる。

思うようにやりたければ、介護事業所に任せずに自分で介護すればいいじゃない・・・という話になりかねない。
でも「ここだけは」と思う所は主張したい。

答えは出ないし、正解も不正解もないのだと思います。
今回は敢えて話をまとめずに記事を終了させていただきます。

見てくださってる方のご意見など聞かせていただけると嬉しいです。


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在宅介護・在宅看護経験20年。
パーキンソン病+レビー小体型認知症の母親介護中
高齢者施設関係の仕事しています。
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